電力の安定供給と再生可能エネルギーの活用が世界的に注目される中、日本では家庭用蓄電システム導入を促進するDR補助金が導入されています。
補助金を活用することで機器導入コストを大幅に抑え、各家庭においてエネルギーの効率化とコスト削減を同時に実現可能です。
このコラムでは、制度の具体的な申請条件や手続きの重要ポイントを詳しく解説していきます。
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DR補助金とは

DR補助金とは、電力の需要と供給のバランスを調整し、効率的なエネルギー利用を促すことを目的とした補助金制度です。具体的には、家庭用蓄電システムの導入時に補助金を支給することで、再生可能エネルギーの普及拡大と電力需給の安定化を図っています。
ディマンドレスポンス(DR)とは、電力使用量が多い時間帯に蓄電池から放電をおこなったり、需要が少ない時間帯には充電を促進したりすることで、電力需要のピークを抑制する仕組みです。
蓄電池を活用することで、家庭でもエネルギー需要調整に主体的に参加でき、結果的に環境負荷の低減と家庭の電気料金節約の両立を目指す制度となっています。
DR補助金の申請条件
DR補助金を活用するには、一定の条件をクリアする必要があります。主に日本国内に居住する個人や法人であることが条件としてあげられます。また、導入する家庭用蓄電システムを自身で所有し、機器を継続的に運用管理できる体制を整えておくことも必須です。
さらに、蓄電池を活用した電力需給調整(DRプログラム)に参加し、指定された期間内(2027年3月31日までを予定)契約を継続することが求められます。なお、税金の未納がある場合や過去に同じ機器で他の補助金を受給している場合は対象外となるため注意が必要です。
対象者の条件と確認方法
DR補助金を受ける対象は、日本国内で生活または事業を営む個人・法人に限定されます。具体的には、居住地もしくは事業所所在地が国内にあり、本人確認のためのメールアドレスを所持しオンライン認証が可能であることも重要です。
申請者は本人確認システム「proost」への事前登録を済ませる必要があり、登録は運転免許証やマイナンバーカードなどの公的な身分証明書を用いておこないます。
また、補助金の申請・運用に関する通知が電子メールで配信されるため、電子メールの管理体制を整えておくことも必須条件となります。
対象となる省エネ機器
DR補助金の対象となる機器は、主に家庭用蓄電システムで、国が指定する厳格な基準を満たした製品に限定されます。蓄電容量や性能、JIS規格に準拠した品質基準を満たしていることが求められます。
導入可能な機器は公式サイトにおいて登録済みの機器リストとして公表されているため、事前に確認しなければなりません。
さらに、蓄電システムはディマンドレスポンスに対応可能であることが前提条件です。電力需給の調整を目的とした遠隔制御機能を備えた機器、または小売電気事業者が提供するDRメニューに対応可能な機器でなければなりません。
参考:DR家庭用蓄電池事業「再生可能エネルギー導入拡大・分散型エネルギーリソース導入支援等事業費補助金」
補助金の金額と上限額
DR補助金で支給される金額は、蓄電システムの性能や蓄電容量によって異なります。補助金額の計算方法としては、蓄電池1kWhあたり3.7万円が基本的な単価となり、導入機器の容量に応じて算出します。
ただし、補助金の支給には一定の上限が設けられており、1件の申請あたり最大で60万円です。
また、設置する機器の総費用のうち、3分の1までが補助金として支給される限度額となっています。そのため、機器の導入を検討する際には、見積もりの段階で補助金額の目安をしっかりと算定し、資金計画を立てておく必要があります。

DR補助金の申請方法と手順

ここでは、DR補助金の申請にあたり必要となる書類の準備や実際の申請手順、そして期限についての重要なポイントを解説します。
参考:一般社団法人環境共創イニシアチブ「令和6年度補正DR家庭用蓄電池事業 補助金の交付申請」
申請に必要な書類一覧
補助金の申請には、以下の書類を提出する必要があります。
書類名 | 備考・注意点 |
本人確認書類 | 運転免許証・マイナンバーカード・在留カードなど |
交付申請書 | 指定様式で記入漏れのないよう注意 |
蓄電システム見積書 | 機器費用と工事費用が明確に分かるもの |
蓄電システム仕様書またはカタログ | DR対応可能であることを証明する資料 |
販売業者の証明書 | 蓄電システム販売業者から取得 |
DRプログラム参加同意書 | 蓄電池アグリゲーターまたは小売電気事業者と締結 |
申請代行委任状 | 手続きを代行業者に委任する場合に必須 |
書類に不足や不備がある場合、申請手続きが中断され、時間切れとなって最悪の場合は受付不可となる可能性もあります。そのため、事前に提出書類のリストを明確に把握し、申請前の段階ですべての書類を十分にチェックしましょう。
申請手続きの流れ
DR補助金の申請手続きには、以下の手順を守る必要があります。
- 本人確認登録(proost登録)
- 必要書類を揃えて申請代行者を通じて交付申請を提出
- 環境共創イニシアチブ(SII)より交付決定通知を受領
- 蓄電システムの売買契約を販売業者と締結
- 機器設置工事を開始(交付決定後に着手)
- 設置工事完了後、実績報告書を提出
- SIIによる審査を経て補助金の金額が確定
- 補助金の支給を完了
最初に本人確認登録(proost登録)を完了させ、申請書類を用意したうえで交付申請をおこないます。その後、環境共創イニシアチブ(SII)による交付決定通知を受け取った時点で、蓄電システムの契約および設置工事を開始します。
交付決定前に工事を開始すると、補助対象外となるため注意が必要です。設置が完了した後は実績報告書の提出をおこない、SIIの審査を経て正式に補助金額が確定します。
全プロセスを正しい順序でおこなわなければ、補助金受給はされません。
事前申請期間と締切日
DR補助金の事前申請期間は年度ごとに設定され、予算上限に達すると締め切られます。2025年度の申請期間は、4月中旬から12月5日までですが、予算消化状況が開示されているので、最新状況を必ず確認しましょう。
ただし、締切間際は申請件数が集中し、書類審査や認定処理に通常よりも時間がかかる場合があります。そのため、余裕を持って早期に申請を済ませることが推奨されています。
さらに、申請期限を過ぎると申請は一切受理されず、翌年度まで待つ必要があります。機器導入を確実に進めるためにも、申請期限を念頭に置き、余裕を持って準備を進めることが重要です。

まとめ

DR補助金を適切に活用することにより、家庭用蓄電システム導入に伴う初期費用を軽減しながら環境負荷の低減や家庭の電気料金削減を実現できます。ただし、制度を正しく利用するためには対象者条件の把握や書類準備、申請手続きの順守が不可欠です。
本コラムで解説したポイントを押さえ、余裕を持った申請スケジュールで、制度を最大限に活用してください。
なお、DR補助金は申請手順や条件が複雑で、実際の導入に際して不安を感じる方も少なくありません。そんな時は、ぜひエコまるにご相談ください!
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