太陽光発電の維持費はどれくらい?費用内訳と節約のポイントを解説

近年、太陽光発電は経済的メリットや環境にやさしいといった点で、多くの家庭や事業所で採用されるようになりました。一方で気に留めておきたいのが、維持費用についてです。
太陽光発電は初期投資だけに目が行きがちですが、運用にかかるランニングコストも確認しておかないと、あとで維持費用のやり繰りに困ってしまいかねません。
本コラムでは、太陽光発電の維持費を具体的に紐解き、維持費を抑えるためのポイントも詳しく解説します。ポイントを理解し、お得に太陽光発電システムを運用していきましょう。
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太陽光発電の維持費用の内訳

太陽光発電を安全に運用するためには維持費が必要不可欠です。その費用にはメンテナンス費用、パワーコンディショナーの交換費用、保険料や税金といったものが含まれます。
さっそく各費用について詳しくみていきましょう。
太陽光発電システムのメンテナンス費用
太陽光発電システムには、定期的なメンテナンスが推奨されています。
太陽光設備の汚れや故障は発電効率に影響を及ぼすため、発電効率を維持するためにも、適切なタイミングでメンテナンスが必要です。
なお、メンテナンスでは太陽光パネルの洗浄、パワーコンディショナーの清掃、ボルトの締め直し、故障した部品や機器の交換を行います。費用は1回あたり2~3万円が相場です。ただし機器の故障で交換が必要な場合、20万~50万円程度の機器代と数万円の修理代も別途かかるでしょう。
太陽光発電には点検も必要です。点検には2種類があり、業者が行う定期点検(保守点検)と管理者が行う目視点検があります。
種類 | 内容 |
定期点検 | 太陽光パネルの確認だけでなく、配線や接続部、架台など各機器の異常の確認、抵抗値や電圧の測定を行う。 |
目視点検 | 太陽光発電の管理者(持ち主)が設備には触らず、目視で設備や周辺環境の異常を確認する。 |
業者が行う定期点検の費用は1回あたり約2~3万円が相場です。低圧の(50kW未満)の場合は1年目以降、4年に1回程度の頻度で実施することが推奨されています。一方、目視点検は管理者が目視で確認する作業なのでお金はかかりません。
太陽光パネルの修理・交換費用
太陽光パネル自体の寿命は一般的に約20年と長いため、頻繁な交換は必要ありませんが、破損や経年劣化による性能低下で、修理または交換が必要になるケースもあります。
もし修理が必要になる場合は、1枚あたり約10万〜15万円が目安です。全体を一新する場合は、システム容量に応じて50万〜150万円程度かかることもあります。交換時には、太陽光パネルの種類や発電効率、保証内容もあわせて見直すことが大切です。
パワーコンディショナーの交換費用
パワーコンディショナーとは、太陽光発電システムにおいて電力を家庭や事業所で使用可能な形に変換する重要な機器です。しかし、長期間の稼働により内部部品が劣化してくるため、適切なタイミングでの交換が必要です。
このパワーコンディショナーの交換費用は約20~30万円となっています。交換の頻度に関しては、パワーコンディショナーの寿命にあわせて約15~20年毎に1回程度と見込んでおく必要があるでしょう。
なお、一般的なパワーコンディショナーの寿命は20年程度ですが、使用環境やメーカー保証期間、製品の性能によって交換時期が異なる側面があります。そのため、定期的な点検をおこなって機器の状態を確認しておくことが大切です。
一部のメーカーでは長期保証をオプションで提供しています。購入時には保証内容をしっかり確認しておきましょう。
太陽光パネルの廃棄費用
太陽光パネルが故障などで寿命を迎えた場合、設置していた設備は廃棄することが考えられます。しかし、太陽光パネルは有害物質を含む設備のため、産業廃棄物として扱わなければいけません。
この場合は、太陽光パネル自体の廃棄費用(処分費用)と業者に作業を依頼する撤去費用(運搬費含む)が発生します。
廃棄費用は1枚あたり約2,000円〜5,000円です。太陽光パネルの廃棄枚数が20~45枚として、1軒あたり約9万円が相場となっています。枚数ごとの廃棄費用は地域、業者によって変動するので注意しましょう。
電力量計(売電メーター)の交換費用
電力量計(売電メーター)は、FIT期間中に設置する計測機器で、卒FIT後も売電を継続する場合は10年ごとに交換が必要です。
なお、交換費用の目安は約1万〜2万円ですが、無料で交換してもらえることもあります。費用は電力会社や契約プランによって異なるため、事前に確認しておくと安心です。
太陽光発電に関する保険料
太陽光発電システムには、自然災害や事故による設備の損傷をカバーするための保険が適用できる場合があります。
保険料は初期費用の2.5~3.0%程度が目安となっており、加入することで予期せぬトラブルへの対応策を備えることが可能です。ただし、具体的な保険料はシステムの規模や補償内容によって異なります。
例えば、初期費用が200万円の場合、年間の保険料は約5,000~6,000円程度になることも考えられます。保険会社やプランによっても差が出るため、複数の保険商品を比較検討するのがおすすめです。
メンテナンスや修理時の足場費用
太陽光発電を設置している屋根の勾配がきつい場合、メンテナンスや修理・交換などで業者が作業をするために足場を組む場合があります。
この際は各種費用とは別に足場費用が必要です。足場費用は約5万~10万円が相場となり、各作業に上乗せされることになるので覚えておきましょう。
太陽光発電設備にかかる税金
固定資産税についても考慮が必要です。一般住宅用の太陽光発電であっても10kW以上の容量、もしくは仕様が屋根と太陽光パネルの一体型だと課税対象になることがあります。
もし課税がある場合は、システムの評価額に税率1.4%を乗じた値が年額になります。ただしお住まいの自治体によって条件は異なりますので、必ず自治体に確認してください。
また、FIT認定を受けている太陽光発電システムから売電収入がある方は、所得税の支払いが発生することもあります。基本的に年20万円を超える場合は確定申告が必要になるので注意しましょう。
また、地域によっては20万円以下でも住民税の申告が必要になるケースもあるので、自治体のホームページでご確認ください。
保険や税金は見過ごされがちな項目ですが、いずれもリスク管理において重要です。手続きや加入内容に不明点がある場合は、専門家の意見を参考にするとよいでしょう。

太陽光発電で維持費を抑えるためのポイント

太陽光発電のランニングコストは工夫次第で抑えることができます。次に維持費を抑えるためのポイントを確認し、適切な運用を維持するためのヒントを探っていきましょう。
長期保証付き商品の選択
太陽光発電システムを選ぶ際は、長期保証がついた機器を選ぶことが大切です。保証内容には、システムの故障や不具合があった場合の修理や交換が含まれているため、将来的な修理費用を抑えることにつながります。
例えば、パワーコンディショナーについては10年以上の保証を提供しているメーカーも多いので、保証期間をよく見て製品を選ぶようにしましょう。
なお、保証内容を確認する際は、自然災害や経年劣化がカバーされているかどうかも確認してください。竜巻や暴風雪など予期せぬトラブルに備え、継続的な運用を続けていきましょう。
信頼できる業者の選び方
太陽光発電システムの設置やメンテナンスを依頼する業者選びは非常に重要です。信頼できる業者は適正価格であることだけでなく、安全で確実な施工をおこなってくれます。
なお、業者を選ぶ際は、事前に複数社から見積もりを取得し、価格やサービス内容を比較することがおすすめです。あわせて過去の実績や口コミも確認し、実際のサービスがどのような評価を受けているか確認しておきましょう。
補助金の活用
太陽光発電の導入や運用にかかるコストを抑えるためには、補助金の活用が効果的です。
多くの自治体では再生可能エネルギーの普及加速を目的として補助金制度を提供しており、これらを活用することで初期費用を軽減し、その分を維持費用に充てられる可能性があります。
なお、制度内容は自治体によって異なり、金額や申請条件はさまざまですから、所在地の自治体のホームページなどをご確認ください。補助金は常に最新情報をチェックすることが重要です。適用できる助成金を見逃さないように、補助金の予算消化状況も随時確認する必要があります。
以下のコラムでは、太陽光発電に活用できる補助金について解説しています。詳しく知りたい方はぜひご覧ください。


まとめ

太陽光発電の維持費用は、メンテナンスや機器交換、保険料や税金など、多岐にわたります。しかし、適切な維持管理と正しい節約方法を取り入れることで、コストを最小限に抑えながら安定した運用が可能です。
初期段階で長期保証付きの商品を選び、信頼できる業者に設置工事を依頼して将来的な節約効果を高めていきましょう。また、補助金も忘れず活用し、経済的な負担も軽減しましょう。
ぜひ本コラムを参考に、太陽光発電の維持費に対する知識を深め、より効果的な運用を目指してください。
太陽光発電の導入を検討している方は、ぜひエコまるにご相談ください。まずは資料請求・お見積もりから!