エネルギーマネジメントシステムの仕組みとメリットを徹底解説!

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近年、電気料金の高騰や環境問題への関心が高まるなか、エネルギーマネジメントシステム(EMS)が注目を集めています。

エネルギーマネジメントシステムとは、家庭や企業のエネルギー使用を効率的に管理し、電気代の削減や環境負荷の低減を実現できるシステムのことです。

最近では、家庭や企業、工場など幅広い場所で導入され、エネルギー使用量や節電効果の見える化に役立っています。多くのメーカーで開発が進められており、市場規模の拡大も期待されるでしょう。

本コラムでは、EMSの基本的な仕組みや種類、導入するメリットについて詳しく解説します。EMSの概要やメリットを知って、導入するかどうかの参考にしてください。

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目次

エネルギーマネジメントシステムとは?

人の手のひらの上に広がる地球と、その上空に浮かぶクリーンエネルギーや脱炭素社会を表すアイコン群があり、ネットゼロ2050の目標が示されている画像

エネルギーマネジメントシステム(EMS)は、家庭や企業などで使用されるエネルギーを効果的に管理するシステムです。

エネルギーの使用状況をリアルタイムで「見える化」し、エネルギーの効率的な運用をサポートします。では、ここではEMSの具体的な仕組みや種類をみてみましょう。

基本的な仕組み

EMSは、電力やガスなどのエネルギー使用量をセンサーやメーターで測定し、そのデータを収集・解析する設備です。データを測定・収集・解析することにより、エネルギー使用量の傾向を知ることができます。

例えば家庭の場合、「洗濯乾燥機を使っているときが一番使用電力が大きい」「深夜はほとんど電力を使っていない」など、EMSを導入することでその家庭のエネルギー使用量の傾向を詳しく把握できるのです。

さらに、収集したデータに基づいて、エネルギー使用量の最適化や無駄の削減を図ります。具体的には、ピーク時の電力使用を抑制したり、不要な機器の待機電力を削減したりといった制御が可能です。

また、太陽光発電や蓄電池、電気自動車(EV)と連携することで、再生可能エネルギーの活用を最大化することもできます。EMSは、エネルギーの需要と供給をバランスよく管理できるため、エネルギーの効率的な活用に有用です。

エネルギーマネジメントシステムの種類

EMSには、対象とする施設や目的に応じてさまざまな種類があります。以下の表に主なEMSの種類をまとめました。

種類対象施設目的
HEMS
(Home Energy Management System)
家庭家電や住宅用設備のエネルギー使用量を管理
BEMS
(Building Energy Management System)
ビル商業施設やオフィスビル全体のエネルギーを管理
FEMS
(Factory Energy Management System)
工場工場の生産設備のエネルギー使用量を管理
MEMS
(Mansion Energy Management System)
マンション共同住宅全体のエネルギーを管理
CEMS
(Community Energy Management System)
地域全体複数の建物や施設を統合的に管理し、地域全体のエネルギーを管理

EMSは主に上記の5つに分けられます。

まずHEMSは家庭向けのEMSです。住宅の家電や空調、照明などのエネルギー使用量の最適化を図ります。政府はHEMSの普及を推進しており、2030年度までに日本全世帯への導入を目指しています。

BEMSはビル向けのEMSで、商業施設やオフィスビルの照明や空調、エレベーターなどを管理し、エネルギー効率を最適化します。

建物全体で電力使用を抑え、電力コストを削減するデマンドコントロール機能もBEMSの機能の一例です。

事例としては、東京都内の「ライオン両国ビル」や「冨士エレベーター工業株式会社」「株式会社ポプラ社」など幅広い企業ビルで導入されています。

FEMSは工場向けのEMSです。製造ラインの効率化やエネルギーロスの削減に寄与します。生産性向上とエネルギーコスト削減を両立することが可能です。

MEMSはマンション向けのEMSで、共同住宅全体のエネルギーを管理します。共有部の照明やエレベーターのエネルギー使用量の見える化・最適化をし、住民への省エネ意識啓発にも役立つ点がメリットです。

CEMSは最も規模の大きいEMSで、地域全体のエネルギーを管理します。複数の建物や施設を統合的に管理し、地域全体のエネルギー融通や、再生可能エネルギーの地産地消を促進します。

注目される背景

EMSが注目される背景には、昨今の電気料金の高騰や環境問題への意識の高まりがあります。

近年のエネルギー価格の上昇は、燃料費・原料費の高騰だけでなく、ウクライナ情勢や円安などの世界情勢も起因しています。これにより、家庭や企業ではエネルギーコストの削減が大きな課題です。

また、地球温暖化などの環境問題が深刻化するなか、エネルギーの効率的利用や再生可能エネルギーの活用が求められています。EMSは、これらの課題を解決するための有効な手段として期待されているのです。

加えて、企業や都市のデジタル技術の活用が推進されており、今後エネルギー管理のさらなる高度化が必要とされています。EMSは、これらの新たな社会ニーズに対応し、持続可能なエネルギー社会の実現に貢献するでしょう。

エネルギーマネジメントシステムのメリット

美しいアジア人女性がスマートハウスのパネルを操作する画像

EMSを導入することで、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは、電気代の削減効果やエネルギー効率の最適化、環境への貢献とCO2削減について詳しくみていきます。

電気代の削減効果

EMSの導入によって最も実感しやすいメリットが、買電電気代の削減です。エネルギー使用状況をリアルタイムで把握し、無駄な消費を減らすことで、電気料金を大幅に抑えることができます

例えば、ピーク時の電力使用を避けるように機器の運転を調整したり、不要な機器の待機電力を削減したりすることで、効果的なコスト削減が可能です。

HEMSの導入事例では、家電・照明のエネルギー使用量が導入前に比べて20%削減したケースも報告されています。また再生可能エネルギーと組み合わせれば、エネルギー自給率を高めることも可能です。

※引用:環境庁HEMSサービスの調査結果の中間報告について

エネルギー効率の最適化

EMSは、エネルギーの使用状況を詳細に分析して効率的な運用をサポートできます。

具体的には、使用頻度が低い機器の無駄な運転を防止したり、機器の異常や劣化によるエネルギーロスを早期に発見したりできます。

このような工夫でエネルギー効率が最適化され、家庭や企業のコスト削減が可能です。また、設備の長寿命化にもつながります。

さらに、EMSのデータを活用して、エネルギー使用のパターンを把握することも重要です。

パターンを分析すれば、家庭ではライフスタイルを見直しができ、企業では業務プロセスの改善ができます。このようにEMSの導入や分析によって、利用者の省エネ意識をより高めることができるでしょう。

環境への貢献とCO2削減

EMSの活用は、環境にやさしい家・企業・工場・地域をつくることにもつながります。EMSの導入は、エネルギーを効率的に利用できることはもちろん、無駄な発電が減少することでCO2排出量の削減にもつながる取り組みです。

また、再生可能エネルギーの活用を最大化することで、化石燃料への依存を減らし、地球温暖化の防止に貢献できます。

例えば昨今の企業には、CSR(企業の社会的責任)の一環として環境負荷低減が重要視されており、EMSの導入は具体的な取り組みのひとつです。企業のブランドイメージ向上や、持続可能な開発目標(SDGs)への貢献としても、大きな価値を持つでしょう。

一般家庭でも、環境にやさしい家づくりや新築住宅の購入に補助金が設けられるなど、環境問題解決に寄与する住まいが注目されています。EMSの導入が、将来の地球を守る一歩になるかもしれません。

まとめ

家のリビングを背景にスマートハウスの仕組みをイラストで描いた画像

エネルギーマネジメントシステムは、エネルギーの使用状況を見える化し、効率的なエネルギー管理を可能にするシステムです。電気代の削減やエネルギー効率の最適化、環境への貢献など、多くのメリットをもたらします。電気料金の高騰や環境問題への関心が高まるなか、EMSの導入はますます重要性を増しています。

国や自治体もEMSの普及を支援しており、補助金制度などの活用により導入コストを抑えることも可能です。EMSの導入で、持続可能な未来に向けた一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

エコまるでは、太陽光発電や蓄電池、V2Hなど、人にも地球にもやさしい暮らしを実現する設備の導入をサポートしています。HEMSの機能がついた機器もご案内できますので、ぜひ一度お問い合わせください。

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