「オール電化にしたらガス代以上になると聞いた」と、オール電化を検討しているけど、電気代がどうなるのか不安で決断できない方も多いのではないでしょうか。
オール電化の電気代は、世帯人数や季節、地域によって大きく変動します。
このコラムでは、オール電化の電気代が高くなる理由や平均的な価格について詳しく解説します。正しい知識を身につけて、電気代の節約に役立ててみましょう。

オール電化の平均的な電気代

オール電化の平均的な電気代は、世帯人数や季節、地域によって異なります。ここでは、それぞれの違いを詳しく解説します。
世帯人数別の電気代の平均
関西電力によると、世帯人数別の電気代の平均は次のとおりです。(2025年4月現在)一般住宅とオール電化住宅の2パターンに分けて見ていきましょう。
家族の人数 | 一般住宅の電気代(月間) | オール電化住宅の電気代(月間) |
1⼈暮らし | 5,482円 | 10,777円 |
2人暮らし | 9,183円 | 13,406円 |
3人暮らし | 10,655円 | 14,835円 |
4人暮らし以上 | 11,836円 | 16,533円 |
引用:関西電力「オール電化世帯人数別の電気代平均額」
世帯人数が増えると、より大きく消費電力の高い冷蔵庫や洗濯機が必要になったり、家族が別々の部屋で過ごすことになるため電気代が高くなりがちです。
なお、これはあくまで平均的な数値であり、実際の電気代は生活スタイルや使用状況によって変動する点に留意しておきましょう。


季節による電気代の変動
オール電化住宅では、季節ごとの電気使用量の変動が大きく、特に夏と冬は電気代が上がりやすい傾向があります。
夏は冷房の使用によって電力消費が増える季節です。しかし冷房は消費電力が比較的少ないため、夏の電気代はそれほど極端に高くなることはありません。太陽光発電を併設していれば、日照時間が長い分、電気代を大きく抑えられるケースもあります。
特に注意が必要なのは、冬の電気代です。冬は暖房や給湯に多くの電力を使用するため、オール電化の家庭では最も電気代が高くなります。
特にエコキュート(自然冷媒ヒートポンプ給湯機)でお湯を沸かす際の消費電力が多く、寒冷地ではヒートポンプの効率が下がることも電気代上昇の一因です。前項で紹介した電気代の平均額は、季節によって変わる点に留意しておきましょう。
地域差による電気代の違い
お住まいの地域で契約する電力会社によって、料金単価や時間帯別料金の設定にも差があります。例えば、関西電力と東京電力では深夜電力の単価や基本料金の体系に違いがあり、同じ使用量でも請求額に差が出ることがあります。
また、気候の違いも電気代の差が生じる原因です。
北海道や東北地方など寒冷地では、冬場の暖房や給湯にかかる電力が多くなり、電気代が全国平均より高くなる傾向があります。一方で、温暖な地域では冷暖房の使用が控えめになるため、年間を通じて電気代が安定しやすいという利点があります。
さらに、太陽光発電システムを併用している家庭では、地域ごとの日照時間の長さが自家消費率や売電量に影響を与えるため、電気代の節約効果にも違いが生まれます。

オール電化の電気代が高くなる原因

オール電化の電気代が高くなるのは、いくつかの原因が考えられます。ここでは、その主な理由を見ていきましょう。
電力単価の高い時間帯で利用している
オール電化向けの電気料金プランでは、時間帯によって電力の単価が変わるケースが多数あります。特に日中や夕方のピーク時間帯は電力単価が高く設定されているため、この時間帯に多くの電力を使用すると、電気代が高くなってしまうでしょう。
たとえば、東京電力のスマートライフプランでは、昼間の電力量単価は1kWhあたり約35.76円、夜間は約27.86円と大きな差があります(2025年4月現在)。昼間にエアコンや洗濯機、食器洗い乾燥機などの電化製品を頻繁に使っている場合は注意が必要です。
古い電化製品や設備を使用している
古い電化製品や設備は、省エネ性能が低い場合があります。特にエアコンや冷蔵庫などの旧式モデルは、最新モデルに比べて消費電力が高い傾向にあります。
家電を買うにはまとまったお金が必要ですが、買い替えを先延ばしにして旧式モデルを使い続けるとかえって出費が増してしまう可能性もあるのです。
生活スタイルの変化で電力消費が増えている
家族の生活スタイルも電気代に大きく影響します。
家族全員がそれぞれ別の部屋で電化製品を使うと、その分消費電力が増えてしまうでしょう。
また、リモートワークで在宅時間が長く、日中に電気を使う機会が多い場合も電力消費が増えがちです。
対策としては、エアコンを各部屋で同時に使用せず、家族が一部屋でまとまって過ごし、電気の使用量を減らすことがあげられます。使用していない部屋の電気をこまめに消すことも大切です。

電気料金プランの選択が不適切
電気料金プランには多種多様なものが存在していますが、自分の生活スタイルに合ったものを選ばなければ、無駄な出費につながります。
オール電化向けのプランを選ばず、一般的なプランのままでいると、割高な電気代を支払うことになるかもしれません。
オール電化は一般的な家庭と電気の使い方が異なります。深夜にエコキュート(自然冷媒ヒートポンプ給湯機)・電気温水器・蓄熱ヒーターなどで熱をつくるため、夜間料金の価格にも注目する必要があるのです。
各電力会社のオール電化向けプランを比較検討し、そのうえで自分の生活リズムに合った料金プランを選ぶことが大切です。適切なプランに変更することで、電気代の節約が期待できます。


オール電化の電気代を節約する方法

オール電化住宅では、ガス代がかからない分、電気代が家計を左右する大きな要素になります。日々の工夫や設備の見直しによって、電気代を大幅に節約することが可能です。ここでは、今日からでも始められる節約方法を3つご紹介します。
電気料金が安い夜間に電力を使用する
オール電化住宅の多くは、時間帯によって電気料金が変わる「時間帯別料金プラン」を契約しています。この仕組みを上手に活用することで、電気代を抑えることができます。
例えば、深夜23時〜翌朝7時の時間帯は通常よりも電気料金が大幅に安く設定されていることが一般的です。この時間帯に電力を多く消費する家電(洗濯機、食洗機、エコキュートなど)を使うようにすると、日中に使用するよりもコストを削減できます。
タイマー機能を使って、深夜に稼働するよう設定しておくと便利です。

家電を買い替える
古い家電製品は、消費電力が高く効率も悪いため、最新の省エネ家電に買い替えることで長期的な節約効果が期待できます。特に冷蔵庫やエアコンなど、常に電力を消費している家電ほど、消費電力量の差が顕著です。
また、最近の家電は「待機電力」も大幅に削減されているため、細かい部分でも節約につながります。
買い替えを検討すべき家電は、古いモデルだと電気代が2倍近くかかることもあるエアコン、24時間稼働しているため年間電気代に大きく影響する冷蔵庫、LEDに変更するだけで消費電力が約1/5になる照明などです。
初期費用はかかりますが、数年単位で見るとトータルでお得になるケースが多いため、家電の寿命が近い場合は思い切って見直してみるのもおすすめです。
電気料金プランを見直す
オール電化に適した電気料金プランを選ぶことも、節約に直結します。電力会社によっては、「オール電化向けの専用プラン」や「時間帯別料金」が細かく設定されたプランが用意されていますので、ライフスタイルに合ったプランを選ぶことが大切です。
自宅での電力使用のピークが昼と夜のどちらであるか、平日と休日で使用量に偏りがあるか、などが見直しのチェックポイントになります。
電力会社のウェブサイトでは、料金プランを比較してシュミレーションできるサービスなどもあります。地域によって選べる電力会社や料金プランも異なるため、定期的にプランを見直すことで、知らないうちに損をしていた、という事態を防ぐことができます。
まとめ

オール電化の電気代が高い理由や平均的な電気代について解説しました。電力単価の高い時間帯の利用や古い電化製品の使用、生活スタイル、料金プランの選択など、さまざまな要因が電気代に影響します。
節約のためには、夜間の電力を積極的に利用したり、省エネ性能の高い電化製品に買い替えたり、家族で電力の使い方を見直すことが効果的です。
さらに、自分の生活スタイルに合った電気料金プランを選ぶことも重要でしょう。正しい知識を持って生活を見直すことで、電気代の節約につながります。ぜひ今回のコラムを参考に、オール電化のメリットを最大限に活かしてください。
エコまるでは、ご家庭にあったオール電化やスマートハウスのご相談も受け付けています。設置導入を検討中の方は、ぜひエコまるにご相談ください。