太陽光発電パワーコンディショナーの役割とは?寿命についても解説

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太陽光発電パワーコンディショナーの役割とは?寿命についても解説

太陽熱温水器の構成機器。左側に平板型太陽集熱パネル、中央に貯湯タンクと制御装置、右側に真空管式の集熱器が並んでいる画像

太陽光発電システムを導入している方、もしくはこれから導入を検討されている方にとって、パワーコンディショナーは欠かせない重要なパーツです。

本コラムでは、パワーコンディショナーの役割や機能に関する基本情報をわかりやすくお伝えします。また、寿命がきた際の兆候交換の際に知っておきたいポイントについても詳しく解説します。

このコラムを読むことで、パワーコンディショナーが果たしている役割を正確に把握し、太陽光発電に欠かせない機器についてわかりやすく理解することができます。ぜひ参考にしてください。

目次

パワーコンディショナーの基本と役割

屋外の芝生の上に設置された室外機。レンガの壁の近くにあり、隣には木が植えられている画像

パワーコンディショナーは、太陽光発電システムとは切り離せない相棒的な存在です。発電した電気を活用するには必ず必要になってきます。

なぜ必要不可欠なのか、パワーコンディショナーの機能と役割について見ていきましょう。

パワーコンディショナーとは

パワーコンディショナーとは、太陽光発電システムにおいて発生する電気を調整するための機器です太陽光パネルは直流電流を発電しますが、このままでは家庭用の電化製品に使用することができないため、電気を交流電流に変換する役割を果たします。

家庭では主に交流電気が使われています。そのため、発電されたエネルギーを利用するには、直流電気を交流電気へ変換することが欠かせません。これにより太陽光エネルギーを家庭内の照明やエアコンなどの家電製品に転換して活用することが可能になります。

太陽光発電における重要性

パワーコンディショナーは太陽光発電システムにとって中心的な役割を担っています。電気変換だけではなく、発電効率を最大化するために重要な技術が組み込まれているためです。

たとえば、最大電力点追従制御(MPPT)機能は、太陽光パネルが発電できる最大の電力ポイントを常に追従し、変動する太陽光の状況下でも効率的に電力を取り出すことができます。

また、停電時など非常時でも電力の供給を一部可能にする自立運転機能を持ったパワーコンディショナーも多く存在します。

一般的に自立運転時には最大で1,500W程度の電力供給が可能で、照明やスマートフォンの充電、テレビなどの必要最小限の電力を確保することができます。

パワーコンディショナーの種類

パワーコンディショナーの種類は、大きく単機能型とハイブリッド型に分けられます。

単機能型は、基本的な変換と制御機能のみを持っており、価格帯も手ごろです。

一方でハイブリッド型は、蓄電池との連携やさらに高度な制御に対応し、より大規模な運用を考える方に向いています。

メーカーや製品ごとに対応可能な蓄電池の種類や付加機能、保証期間などが異なるため、導入前に各製品の特徴を比較検討することが重要です。

また、屋内用と屋外用にも分けられており、次のような特徴があるため、性質を理解したうえで種類を選ぶ必要があります。

  • 屋内型:雨風の影響を受けず劣化しにくいが、稼働音が気になる場合がある
  • 屋外型:屋内の場所を取らず音も気になりにくいが、劣化しやすくメンテナンスは多め

パワーコンディショナーの寿命

風力発電用の風車5基と、前面に並ぶ複数の青色の太陽光パネル。左側には空調設備のような装置が配置されている画像

太陽光パネルと同じく、パワーコンディショナーも年々劣化をしていく機器です。そのため、寿命という概念があります。

ただし、これらの機器で言う「寿命」は、「使用できなくなること」をさすわけではありません。次は少し入り組んだパワーコンディショナーの寿命の概念について、詳しく解説します。

一般的な寿命の目安

パワーコンディショナーの一般的な寿命はおおよそ20年程度とされています。メーカーで、「保証期間」と示しているものが大まかな寿命として解釈されることも多いです。

ただ、「保証期間」が近くなる、もしくは過ぎることでパワーコンディショナーがまったく動かなくなるわけではありません。寿命を迎えたパワーコンディショナーは、動作が不安定になることや変換効率が低下するなど、機器の性能が下がります。

機器の性能をなるべく保つには、日常的な点検やメンテナンスが重要です。メーカーでは年に1回程度の定期点検を推奨していることが多く、専門業者による詳しいチェックが機器の長寿命化につながります。

また、メンテナンスによって寿命が来る前に交換タイミングを見極めることもできるため、システム全体の円滑な運用をすることが可能です。

寿命に影響を与える要因

パワーコンディショナーの寿命に影響を与える要因は多岐にわたります。たとえば、設置場所の選定がその一つです。

風雨に晒される屋外設置の場合、内部回路が劣化しやすいために寿命が短くなる可能性があります。劣化を軽減するには雨風を防げる屋内や専用のボックスなどへの設置が必要です。

また、冷却系のファンやフィルターの汚れも寿命に影響を及ぼします。定期的に埃や汚れを取り除くメンテナンスをおこなうことが大切です。結果的に内部パーツへの負荷を軽減し、故障を防ぐことにつながります。

故障時に現れるサイン

パワーコンディショナーの故障を早期に発見するには、いくつかの兆候に注意する必要があります。たとえばエラー表示や電気供給の不安定さです。こうした状態は、内部コンポーネントの劣化が進行しているサインといえるでしょう。

次に異音や異臭が発生することも故障の兆候と考えられます。これらは冷却ファンや配線の問題が原因になることが多いです。このような兆しを感じた場合、早めに専門家による点検を受けることをおすすめします。

パワーコンディショナーを早期に交換するメリット

背景が黄色でケーブルにつながった電球が光っている画像

パワーコンディショナーを早期に交換すると、出力を下げずに運用できる他、さまざまなリスクを軽減できます。ここからは機器の早期交換のメリットを簡単にご紹介します。

出力・性能を下げずに運用できる

パワーコンディショナーは長く使い続けると少しずつ劣化し、出力や性能が下がってきます。つまり効率が悪い状態で運用し続けることになってしまいます。しかし、性能の低下を予期して早期に交換することで、能力を下げず効率的な運用が可能です

費用が安く済む可能性がある

パワーコンディショナーを早めに交換すると、部品・工事費用などが安く済む可能性があります。完全に壊れるまで使い続けると漏電などで故障部位が広がるなどのリスクがありますが、早期に交換することでリスクを軽減できます。

また、メーカーの保証期間外になってしまうと修理・交換が有料ですが、保証期間内であれば無料で交換することが可能ですその点でも早期の交換は費用が安く済むといえます。

売電損失が少なく済む

太陽光発電で売電もおこなう方は、パワーコンディショナーの早期交換におけるメリットが多くあります。パワーコンディショナーが完全に壊れてしまうと、本体の納品(交換)までに時間がかかることがあり、売電ができなくなる期間ができてしまいます。

しかし、早めに交換すれば運用しながら納品を待ち、交換工事のときだけ売電を止めることになるため売電損失が少なく済むでしょう

システムの事故を予防できる

パワーコンディショナーは故障した状態で使い続けると出火を起こし、火事になることがあります。しかし、パワーコンディショナーの早期交換によって、出火などの事故を予防することが可能です

手続きが面倒に感じられるなど腰が重くなりがちですが、太陽光発電システムの機器は安全面からも適切な期間で見切りをつけて交換することが大切です。

パワーコンディショナーでよくある質問

背景が黄色で吹き出しが二つあり、中にハテナマークと青色の電球が書かれている画像。

最後にパワーコンディショナーでよくある質問や疑問を集めました。気になる点が重なる方はぜひ参考にしてください。

パワーコンディショナーの設置費用の相場は?

パワーコンディショナーの設置費用は、1kW当たり5万円が相場になっています。たとえば3〜5kWの容量の場合は、設置費用は約15万〜25万円になります。

交換・修理費用はどれぐらいかかる?

パワーコンディショナー本体の交換費用は、本体+工事費を合計して約30万~40万円といわれています。しかし、保証期間内ならこれらは無料です。

また、修理の場合は故障部位によって費用が前後しますが、小さな部品は約1万円、基盤などは約5万~10万ほどかかるケースもあります。

パワーコンディショナーは自分で交換できる?

パワーコンディショナーの交換は配線など、専門的な知識が必要な分野です。原則、交換は電気工事士の資格を所有している者でなければおこなえません

そのため、システムの故障や火災を招く恐れもあるため、個人でパワーコンディショナーの交換は決しておこなわないでください。交換をしたい場合は、専門業者に依頼しましょう。

まとめ

ESGを中心に、再生可能エネルギーやリサイクルなどの環境関連アイコンが並ぶ。背景にはノートやグラフ、植物など見える画像。

パワーコンディショナーは、太陽光発電システムの中核を担う重要な機器です電気の変換機能だけではなく、発電効率の最大化や停電時の非常電源としての役割も果たしています。

寿命は一般的に約10~15年程度ですが、適切な環境下での設置や定期的なメンテナンスの有無によって寿命が左右される側面があります。大切に扱えば、長く使える可能性があるでしょう。

運用中のシステムをより効率的に活用するためにも、年に1回の点検を心がけ、埃や汚れを取り除くなどの定期的なメンテナンスがおすすめです。

不具合が起きる前にメンテナンスで予防的な対応を取り、システム全体のパフォーマンスを維持しましょう。

エコまるでは、パワーコンディショナーの設置を含む太陽光発電システムの施工実績を数多く積んでいます。設置に関してお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。

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