太陽光発電と蓄電池の導入で電気代はどれくらい安くなる? シミュレーションと節約方法

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太陽光発電と蓄電池の導入で電気代はどれくらい安くなる? シミュレーションと節約方法

背景に電空とプラグ。透明なグラフに右肩下がりの赤い線が描かれており、線の下には積まれたコインが5列あり、右から左へどんどんすくなくなっている画像。

近年、電気代の高騰が家計を圧迫しています。そこで注目されているのが、太陽光発電と蓄電池の導入です。しかし、実際にどれほど電気代が安くなるのか疑問に思う方も多いでしょう。

本コラムでは、太陽光発電と蓄電池の導入で電気代が安くなる仕組みを解説し、節約効果をシミュレーションしました。気になる補助金の情報や、電気代の節約に最適なプランや方法についても詳しく解説します。

このコラムを読んで、太陽光発電や蓄電池の導入による効果を実感しましょう。

目次

太陽光発電と蓄電池の導入で電気代が安くなる仕組みとは?

ぼかした緑の背景に小銭が6列並んでいる。小銭の上に左から電球、蓄電池、一軒家、風力発電、ソーラーパネル、電球が乗っている画像

太陽光発電と蓄電池の導入は、電力の自給自足を可能にし、電気代の節約につながります。この章では、電気代が安くなる具体的な仕組みをみていきましょう。

太陽光発電で日中の電力を自家消費

太陽光発電で発電した電力は、昼間消費する電力をまかなうことができます。これは、「太陽光発電が電気代節約になる理由」ときいて、多くの方がイメージしやすい効果なのではないでしょうか。

日中の消費電力が多い時期には太陽光発電でつくった電力が役に立ちます。太陽光発電の電力を使用することで、買電量が減って節約になるでしょう。

蓄電池で夜間や停電時の電力を確保

蓄電池は電気を蓄えられる二次電池(充電池)のことです。蓄電池があれば、太陽光発電で発電して余った電力をためておくことができます。

つまり蓄電池を導入すると、発電量が少ない時間帯や夜間でも発電した電力が利用できるのです。蓄電池を活用することで、発電できない時間の電力もカバーでき、電気代のさらなる削減が期待できます。

また、停電時には非常用電源として機能するため防災面でも安心です。

余剰電力の売電による収益化

自家消費だけでなく、使い切れない電力は電力会社に売ることができます。売電で得た収入を含めると、買電電気代が実質0円になるケースも珍しくありません。発電量や消費電力量によっては、副収入としてじゅうぶんな金額を得られる可能性もあります。

電力の買取金額は、固定価格買取制度(FIT制度)により定められています。固定価格買取制度とは、一定期間、定められた価格で電力を買い取ってもらえる制度です。

2025年度の住宅用太陽光発電の売電価格は、1kWhあたり15円です。平均的な年間余剰電力で考えると、売電収入は年間約7万円になります。月額にすると実質6,000円弱の収入になり、家計に与える影響は大きいです。

電気代の節約効果はどのくらい?ケース別にシミュレーション

電卓と太陽光パネルが乗った家の模型の画像

具体的にどれほど電気代が節約できるのか、ケース別にシミュレーションしてみましょう。

このシミュレーションの前提条件は次のとおりです。設定した電気使用量や電気料金、発電量は、全国の平均値に近い数値を使用しています。

  • 年間の電気使用量が4,000kWh、電気代が約15万円(1kWあたり37.5円)の家庭
  • 日中よりも夜間のほうが電気を多く使用する(日中30%・夜間70%)
  • 5kWの太陽光パネルを設置
  • 年間発電量は1kWあたり1,300kWh(全国平均発電量並み)
  • 売電価格は1kWhあたり15円
  • 容量8kWhの蓄電池を導入

では、太陽光発電を導入した場合・蓄電池を導入した場合の節約効果を計算してみましょう。

太陽光発電のみを導入した場合

まず、太陽光発電を導入した場合でシミュレーションしました。昼間の電力は自家発電で賄い、夜間は深夜電力を利用します。

5kWの太陽光パネルを設置した場合、この家庭の年間発電量は1,300kWh×5kWの6,500kWhです。この家族が日中使用する電力は1,200kWhなので、発電した電力でじゅうぶんまかなうことができます。

ただし、蓄電池を導入しないため、夜間の電力は電力会社から購入しなければなりません。夜間の電気料金は、2,800kWh×37.5円=105,000円です。電気代だけみて考えると、この仮定では太陽光発電の導入で45,000円の節約になることがわかりました。

さらに、日中発電して使わなかった残りの5,300kWhは余剰電力として売電に回すことができます。売電価格は1kWhあたり15円なので、5,300kWh×15円で、年間の売電収入は79,500円です。

この家庭の例では、売電収入も含めると電気料金を支払っても結果的にプラスになることがわかりました。

太陽光発電+蓄電池を導入した場合

蓄電池を導入すると、夜間も発電した電力で生活ができるようになります。容量8kWhの蓄電池が毎日稼働したとすると、年間で最大2,920kWhの蓄電が可能です。

この家庭の年間発電量は6,500kWhで、日中の使用電力は1,200kWhです。余剰電力のうち2,920kWhを蓄電したとすると、夜間も発電した電力で生活ができるでしょう。

つまり、計算上は電気料金は0円になります。太陽光発電と蓄電池の併用で、大きな節約効果が期待できそうです。また、この場合の余剰電力は2,380kWhなので、売電収入は2,380kWh×15円で年間35,700円と計算できます。

ただし、実際には発電量・使用量のムラや悪天候によって、毎日蓄電池をフル充電することは難しいです。また、蓄電池の放電時や電力会社との取り決めによって少量の買電がおこなわれるため、電気料金が0円になることは現実的ではありません

とはいえ、適切な発電力・蓄電容量の太陽光発電と蓄電池を導入すれば、電気代を大幅に節約することができるでしょう。

太陽光発電と蓄電池の導入費用と回収期間の目安

青い背景に雲が描かれた背景。小銭が5列並んでいて左から段々高く積み上がっている。小銭の上にはドルマークが書かれていて家と電球が乗っている画像

太陽光発電や蓄電池を導入した場合の節約効果をシミュレーションしましたが、実際には設備を導入する費用がかかります。初期費用の金額によっては、毎月の電気料金が安くなってもお得に感じられないかもしれません。

ここでは、太陽光発電や蓄電池を導入する費用相場や、初期費用を回収できる期間の目安を解説します。ぜひ参考にしてください。

初期費用の相場(設備・設置工事費用)

太陽光発電システムと蓄電池の導入には、設備の購入価格と設置工事費用がかかります。メーカーや施工業者によって費用にはばらつきがありますが、価格相場は次のとおりです。

  • 太陽光発電(太陽光パネル・工事費含む):100万~150万円
  • 蓄電池:5~12kWhで100万~200万円+工事費20万~30万円

太陽光パネルは一般家庭では3~5kWを導入します。蓄電池は5~12kWhが標準容量です。太陽光発電と蓄電池の両方を導入する場合、200万〜400万円程度の費用がかかると予想できます。

家族構成やライフスタイルによって適切な発電量や蓄電容量は異なります。適切なメーカーやモデルを選ぶことが大切です。

エコまるでは、屋根の形状や家庭の状況にあった太陽光パネルや蓄電池を提案します。導入するメーカーやモデルに迷う方は、ぜひ一度ご相談ください。

費用回収の期間は15~18年が目安

太陽光発電と蓄電池の両方を導入した場合、費用回収には15~18年程度かかるとされています。

先に述べたように、太陽光発電と蓄電池の導入には200万~400万円の費用が必要です。導入すると、電気代の削減と売電収入の2つの経済的効果がうまれます。この経済的効果が導入費用を超える年数(回収期間)は、太陽光発電のみの場合7~10年、蓄電池も含む場合は15~18年程度が目安です。

ただし、導入する設備の価格や電気使用量、利用する電力会社やプランなどによって回収期間は異なります。

補助金の活用でコストを削減

国や自治体からの補助金を活用することで、初期費用を抑えることができます。

国からもらえる補助金は、「DR家庭用蓄電池事業」や「子育てグリーン住宅支援事業」などが一例です。2025年度は、「DR家庭用蓄電池事業」は蓄電池の導入に対する補助が最大60万円受けられます。「子育てグリーン住宅支援事業」の補助金は、蓄電池の導入で1戸あたり64,000円です。

他にも自治体によって独自の補助金事業がおこなわれる場合もあります。自治体の公式サイトで確認しておきましょう。

なお、エコまるでは太陽光発電・蓄電池に対する補助金の案内もおこなっています。対象となる補助金を案内するだけでなく、申請の代行もおこなっているので、複雑で手間になる作業もお任せいただけます。太陽光発電や蓄電池の導入を検討している方は、ぜひお問い合わせください。

太陽光発電・蓄電池の電気代節約効果を高める4つのポイント

スーツ姿の男性がパソコンで仕事をしている周りに、再生可能エネルギーに関するアイコンが表示されている画像

電気代の削減効果を最大化するためには工夫して暮らすことも必要です。ここでは、太陽光発電や蓄電池の導入のメリットを高めるポイントを4つ紹介します。

1.発電電力を効率的に自家消費する

発電した電力は、売電するよりも家庭で活用したほうが節約効果が高いです。2025年度の売電価格は1kWhあたり15円であるのに対し、買電電気代の目安は1kWあたり31円です。売電するよりも、自家消費したほうが電気代が抑えられます

自家消費の効率をあげるには、やはり蓄電池の導入が必要です。蓄電池を導入して、夜間など発電できない時間帯にも発電した電力を活用する必要があるでしょう。

2.ピークシフトで電気料金の高い時間帯を回避

ピークシフトとは、電気料金の高い時間帯の電力の使用を避けることです。電気料金は需要に応じて時間帯で料金が異なります。需要が高く料金が高い時間の買電を避けることで、電気代を節約できます。

ピークシフトを効率的におこなうには、蓄電池の活用がおすすめです。蓄電池があれば、昼間に蓄えた電力を電気料金の高い夕方や夜間に使用できます。

電力会社によって時間帯による料金設定は異なるので、生活リズムに適した電力会社やプランを選ぶことも大切です。

3.HEMS(Home Energy Management System)との連携

HEMSは、家庭内のエネルギーを視覚化して統合的に管理するシステムです。太陽光発電や蓄電池と連携することで、エネルギー消費を最適化できます。

具体的には、発電量や蓄電実績をモニタで表示できたり、そのデータをスマートフォンなどで確認できたりするシステムです。なかには、AIが効率的に蓄電・放電をおこなって電気代を節約できるものもあります。

HEMSを活用することで、自家消費の効率を高められるでしょう。

4.EV(電気自動車)との組み合わせで電力利用を最適化

発電した電力をさらに効率的に活用するなら、EV(電気自動車)の利用もおすすめです。発電力をEVに充電すれば、自家消費率が上がるだけでなく、ガソリン代の節約にもつながります。

さらに、V2H(Vehicle to Home)があればEVのバッテリーを蓄電池として活用することも可能です。EVのバッテリーに蓄えた電力を、V2Hを介して家に戻して活用できるようになります。

EVのバッテリーを家庭用電力として利用することで、電気代の削減効果がさらに高まります。また、災害時の非常用電源としても有用です。

まとめ

手にもつ電球の中に木が生えていて、電球の周りには太陽光パネル、手と緑、エコ工場、風力発電のマークのはいったシャボン玉が取り囲んでいる画像

太陽光発電と蓄電池の導入は、電気代の大幅な削減につながります。初期費用は200万~400万円ほどかかりますが、長期的な視点で見れば投資効果は高いです。電気代の節約効果や売電収入を考えると15~18年程度で回収できます。

また、太陽光発電や蓄電池の導入は環境にもやさしく、停電時の備えとしても優秀です。電力の自給自足を目指し、太陽光発電や蓄電池を検討してみてください。

エコまるでは、太陽光発電や蓄電池の導入をサポートしています。各家庭の事情にあわせて電気代の節約効果の高いメーカーやモデルの提案が可能です。導入を検討している方はぜひご相談ください。

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