マンションで個人が太陽光発電を設置するには?ベランダ設置のポイント

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マンションで個人が太陽光発電を設置するには?ベランダ設置のポイント

青空が背景。マンションの屋上に太陽光パネルが設置されていて太陽の光が降り注いでいる画像。

近年、エネルギー問題や環境意識の高まりを背景に、太陽光発電に興味を抱く方が増えています。

しかし、マンションは一戸建てと違い、設置場所が限られていたり管理規約があったりするため、「うちのマンションでは難しいかも…」と諦めている方も多いのではないでしょうか。

実はマンションにお住まいの方でも、太陽光発電を活用して電気代の節約や環境貢献を目指すことができます

本コラムでは、マンションで太陽光発電を導入する具体的な方法をご紹介します。

目次

マンションで個人が太陽光発電を導入する方法とは?

青空が背景。マンションのベランダの側面に太陽光パネルが設置されている画像。

マンションにお住まいの場合、一戸建てのように屋根に大型のパネルを設置するのは難しいケースがほとんどです。しかし、ベランダ設置型のソーラーパネルやポータブル電源を活用した発電など、太陽光発電を取り入れる方法は数多くあります

ここでは、マンション住まいでもできる太陽光発電の導入アイデアを4つ紹介します。

ベランダ設置型のソーラーパネルを活用

ベランダ設置型のソーラーパネルは、個人で簡単に太陽光発電を導入できるおすすめのアイテムです。コンパクトな設計で、専門的な工事が不要なため、誰でも簡単に設置できます。

初期費用が比較的安価な点も、魅力のひとつです。大がかりな設置工事が不要なうえ、ソーラーパネル自体の価格も抑えられます。

さらに、日中発電した電気を直接家電に供給できる点、持ち運びができるタイプがある点も大きな特徴です。手軽に始められるうえに、節電や防災の観点からもメリットが多いアイテムといえます。

管理組合の許可を得て屋上設置を検討

マンションの屋上にソーラーパネルを設置する方法もあります。

ただし、屋上は共用部分にあたるため、設置には管理組合と全戸数のうち4分の3以上の許可が必要です。これは、共用スペースの利用には全居住者の利益を考慮しなければならないためです。

例えば、東京都では再生可能エネルギーの普及を推進しており、集合住宅への太陽光発電設備の設置を促進する取り組みが進められています。​このような取り組みを活用することで、管理組合の許可を得て屋上に太陽光パネルを設置できる可能性は十分に考えられるでしょう。

この方法なら大型のパネルを設置できるため、まとまった発電量を確保できるのも大きなメリットです。

※出典:東京都災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業

窓際や手すりに設置できる小型パネルの活用

窓際やベランダの手すりに取り付けられる小型ソーラーパネルも、手軽に導入できます。軽量なうえ、工具なしで簡単に設置できるものが多いので、スペースを取らずに太陽光発電を取り入れられます。

以前に比べると、小型ソーラーパネルの種類は増えており、より手頃な価格で手に入るようになってきました。持ち運びができる折りたたみタイプやUSB接続が可能なものなど、用途に応じた製品が充実しています。

設置場所の限られるマンションでも、ちょっとしたスペースを活用して太陽光発電を取り入れられる便利なアイテムです。

ポータブル蓄電池と組み合わせた活用方法

ベランダ設置型のソーラーパネルや小型パネルをポータブル蓄電池と組み合わせると、発電した電力をより効率的に活用できるようになります。

ポータブル蓄電池があれば、昼間に発電した電力を蓄えて夜間や非常時に使用することができます。屋外キャンプでも、小型パネルとポータブル蓄電池の組み合わせがあれば電源の確保が可能です。

ポータブル蓄電池があれば、マンションでも再生可能エネルギーを活用できる環境を手軽に整えられるでしょう。

ベランダに設置できる太陽光発電の種類と特徴

背景は水色で太陽光パネルが2枚並んでいてその前にEVステーションが設置されている画像

ベランダで利用できる太陽光発電にはさまざまな種類があり、それぞれに異なった特徴があります。

ここでは、主な種類と特徴についてみていきましょう。

折りたたみ式ソーラーパネル:コンパクトで持ち運び可能

折りたたみ式のソーラーパネルは、収納や持ち運びが簡単な点が特徴です。必要なときだけ取り出して使用できるので、アウトドアや非常時の備えとしても有効です。

例えば、キャンプや車中泊、災害時の停電対策など、さまざまな目的で利用できます。最近は、スマートフォンの充電や小型家電の電源確保には充分な機能です。

このように、折りたたみ式ソーラーパネルは、自宅だけでなく外出先での電源確保にも役立つ実用的なアイテムです。

ベランダ手すり固定型:省スペースで発電効率がよい

ベランダの手すりに固定するタイプのソーラーパネルは、スペースを有効活用できるため、マンションでも導入しやすいでしょう。

設置面積を広く取れるうえ、適切な角度で太陽光を受けられるように調整できるので、発電効率が高い点も魅力です。

このタイプのパネルは、日常的な電力消費を補うだけでなく、防災対策としての活用も注目されています。蓄電装置を経由してコンセントに差すだけで使えるタイプなど、より手軽に太陽光発電を取り入れられる商品が数多く展開されています。

窓際設置型パネル:設置が簡単で室内でも活用可能

窓際に置くだけで使えるソーラーパネルは、初めての方でも手軽に導入できます。工具が不要で、設置後すぐに使用を開始できる点が大きなメリットです。

また、室内に設置できるため風雨に晒されずに、日差しが当たる時間帯をうまく活用した安定的な発電が可能です。

手軽さと実用性を兼ね備えた窓際設置型パネルは、賃貸住宅や限られたスペースでも太陽光発電を取り入れたい方に適しています。

ポータブル型ソーラーパネル:非常用電源としても活躍

ポータブル型のソーラーパネルは、持ち運びが容易で、非常時の電源確保にも役立ちます

近年、異常気象や地震による停電が増加しており、非常時の電源確保の重要性がますます注目されています。特に、スマートフォンの充電や照明の確保は、災害時の情報収集や安全確保に欠かせません。

こうした背景から、ポータブル型のソーラーパネルの導入を検討する一般家庭が増えています。持ち運びができるため、普段はアウトドアや車中泊で活用しつつ、非常時には停電対策として役立てることが可能です。

一台持っておくだけで日常使いと災害時の備えを両立できるため、万が一に備えて導入を検討してみてもよいでしょう。

マンションの太陽光発電設置で確認すべきルールと注意点

太陽光が降り注ぐ中、ハテナマークが描かれた黄色のボックスが左から3つ並んでいる。黄色のボックスの右側には電球マークが書かれた緑のボックスが1つ置かれていて、緑のボックスを手でつまみ上げようとしている画像

マンションで太陽光発電を導入する際には、いくつかのルールや注意点を確認する必要があります。

特に、マンションは共有部分と専有部分が明確に区分されており、無断で私物を設置するとトラブルの原因となります。ここでは、ソーラーパネルを設置するときに確認しておきたいポイントをみていきましょう。

管理規約での設置許可の確認

まずは、マンションの管理規約を確認して、ソーラーパネルの設置が許可されているかを調べましょう。規約に違反すると撤去を求められる可能性があるので、事前の確認が不可欠です。

また、ベランダやバルコニーも共用部分なので、大きな荷物の設置が制限されているケースもあります。特に、外観や安全性に関する規約が設けられていることが多いため、詳しいルールを把握しておくことが大切です。

スムーズに導入するためにも、管理組合や他の居住者との事前相談を心がけましょう

共用部分・専有部分のルールを把握

​マンションでソーラーパネルを導入するときは、「共用部分」と「専有部分」の区分を明確に理解することが重要です。

​原則、ベランダや手すりは共用部分に該当し、各住戸の居住者が「専用使用権」を持つルールです。そのため、ソーラーパネルを設置するときは、管理組合の許可が必要となります。

許可なしで設置すると、後々大きなトラブルにつながる可能性があります。事前に管理規約を確認し、必要な手続きを踏むことが大切です。​

強風・落下事故を防ぐための安全対策

ソーラーパネルを設置する際は、強風による飛散や落下事故を防ぐための対策が必要です。​事故が発生すると、ご自身だけでなく周囲にも被害を及ぼす可能性があります。

​経済産業省の資料では、2015年の台風15号により、固定が不十分な太陽光パネルが飛散し、近隣の住宅に被害を与えた事例が報告されました。また、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の報告書によれば、大雪によるソーラーパネルの破損事故が増加していることが示されています。

これらの事例から、安全な設置方法と定期的な点検・メンテナンスの重要性は明らかでしょう。

※出典:経済産業省太陽光パネルの飛散被害が出ています~被害が出る前に確認を!~」 

   独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)大雪の年はソーラーパネル等の破損事故が急増!~小規模の発電設備で、大きな被害も~

近隣住民とのトラブル回避策

​ソーラーパネルを設置すると、近隣住民の生活環境に影響を及ぼす可能性があります

例えば、​環境省の「太陽光発電の環境配慮ガイドライン」では、反射光による問題が発生する可能性が指摘されています。設置前に反射角度や設置位置を十分に検討して、近隣住民へ配慮することが大切です。

​また、事前に周囲の住民に説明をおこなって理解を得ておくことで、トラブルの回避につながります。

※出典:環境省太陽光発電の環境配慮ガイドライン

ベランダ設置の太陽光発電で発電量を最大化するコツ

白い壁の家が背景で手前に太陽光パネルがが設置されていて、その前に花壇があり木が植えられていて花が咲いている画像

マンションのような限られたスペースでも、工夫次第で太陽光パネルの発電量を高めることは可能です。

ここでは、効率的な発電のためのポイントを解説します。

日照時間が長い方角(南向き)の活用

​ソーラーパネルの設置方角は、発電効率に大きな影響を与えます。​具体的には、南向きに設置すると最も効率的に発電できるといわれています

例えば、京セラ株式会社の情報によると、太陽光パネルを真南に設置した場合、最も効率的に発電できるとされています。また、ハチドリ電力の情報では、太陽光パネルを北向きに設置すると、南向きに設置した場合と比べて発電効率が37%低下するとのことです。

これらの情報から、ソーラーパネルの設置方向を工夫することが重要であることがわかります。

※出典:京セラ株式会社太陽光発電の発電量は?目安や方角・設置角度など発電量を高めるポイントを解説!【住宅・法人】

    ハチドリソーラー太陽光パネルの年間発電量の目安はどれぐらい?発電効率を高める方法や地域・季節別の発電量を紹介!

影にならない位置にパネルを設置

ソーラーパネルの設置場所は、建物や樹木によって影ができないところを選びましょう。​ソーラーパネルに影がかかると、発電効率が大幅に低下する可能性があるためです。

​一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)の報告では、雑草の影によって発電量が10%以上低下した事例が示されています。

季節や時間帯によって影の位置が変わるため、年間を通じて影がかからない場所を選ぶことが大切です。​これにより、安定した発電量を確保し、太陽光発電システムの効率を最大化しやすくなります。​

※出典:​一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)太陽光発電システムの不具合事例とその対処例

蓄電池を併用して夜間も電力を活用

蓄電池を併用することで、昼間に発電した電力をためて、夜間や停電時でも安定した電力供給を確保できるようになります。日中しか太陽光発電はできないので、発電した電力を効率的に使うには蓄電池の活用が不可欠です。

また、蓄電池は停電時の非常用電源としても機能します。蓄電池を併用することで、太陽光発電のメリットを最大限に活かし、日常の節電対策や非常時の備えとしても役立てられるようになるのです。

マンションでの太陽光発電のメリット・デメリット

青空と白雲が背景。お洒落なマンションの最上階のベランダの側面に太陽光パネルが並んで設置させている画像

マンションで太陽光発電を導入することには、メリットだけでなくデメリットもあることを理解しておく必要があります。

ここでは、それぞれのポイントを整理します。

メリット:電気代の節約と環境負荷の軽減

太陽光発電を導入すると自家発電ができるので、電力会社からの購入量を減らし、電気代を削減できます。また、再生可能エネルギーを活用することで、CO₂排出量の削減に貢献することも可能です。

化石燃料を使用する火力発電と比較すると、太陽光発電のCO₂排出量は大幅に少なく、環境負荷の低減につながるとされています。家計にも環境にもやさしいのが、太陽光発電の大きなメリットです。

メリット:停電時の非常用電源として活用可能

太陽光発電があれば、災害時や停電時でも自宅で電力を確保できます。発電した電力を直接利用したり、蓄電池にためた電力を活用したりすることで、停電時でも最低限の電力を確保できるようになる点が大きなメリットです。

特に、照明やスマートフォンの充電、冷蔵庫の稼働など、ライフラインを維持するための電力を確保できると非常時でも安心して過ごせます。日々の電気代節約だけではなく、非常時の備えとしても太陽光発電は有効な選択肢といえるでしょう。

デメリット:発電量が限られる

​マンションのベランダに設置する太陽光発電システムは、設置スペースが限られているため、発電量が制約されることがあります。具体的な発電量は、設置するパネルの種類やサイズ、日照条件などにより異なります。

ベランダ設置型の太陽光発電システムでは、家庭全体の電力消費の一部を補う程度の発電量となることがほとんどです。そのため、あくまで補助的な電力源として位置づける必要があります

デメリット:管理組合のルールに制限される場合がある

ソーラーパネルを設置するには、管理組合の許可が不可欠です。​これは、共用部分の利用や外観の変更が管理規約で制限されている場合があるためです。​

国土交通省の「マンション標準管理規約」では、バルコニーや専用庭は共用部分であり、管理組合の規約に従う必要があるとされています。そのため、事前に管理規約を確認し、必要な手続きを踏むことが重要となります。

※出典:国土交通省マンション標準管理規約(単棟型)

まとめ

青空が背景。緑に囲まれたマンションの屋上に太陽光パネルが並べて設置されている画像

マンションであっても、工夫次第で太陽光発電を導入し、再生可能エネルギーを活用したエコな生活を始めることができます。

マンションでの太陽光発電は、一戸建てに比べて制約があるものの、小型パネルや蓄電池を活用すれば導入のハードルを下げることが可能です。電気代の削減だけでなく、環境への貢献や災害時の備えとしても、導入を検討する大きな価値があります。

ただし、設置するときは管理規約の確認や安全対策が不可欠です。しっかりと手続きや準備をおこない、ご自身の居住環境やライフスタイルに合った方法で太陽光発電を取り入れてみてください。

太陽光発電の導入を検討されている方は、お気軽にジャパンライフアシストにご相談ください!まずは資料請求・お見積もりから!

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