太陽光発電で節税できる?具体的な税金対策と導入のメリットを解説

太陽光発電の導入は、買電電気代の削減や売電収入だけでなく、実は税金面でも大きなメリットがあることをご存知でしょうか?
減価償却や固定資産税の軽減措置などを活用することで、太陽光発電の恩恵を受けながら賢く節税することができます。
このコラムでは、太陽光発電の導入で活用できる節税方法や、知っておきたい税金対策のポイントをわかりやすく解説します。確定申告や補助金制度についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
太陽光発電で節税ができる仕組みとは?

太陽光発電は環境に優しいだけでなく、実は税制面でもお得な制度が用意されています。これらの制度を理解することで、太陽光発電の導入効果をさらに高めることができます。
減価償却を活用して所得税を軽減
太陽光発電設備は減価償却資産に該当します。このため、減価償却が可能です。購入した年に全額を経費にはできませんが、「減価償却」という方法で数年間に分けて少しずつ経費にしていきます。これは、高額な設備が時間の経過とともに価値が減少していくという考え方に基づいています。
太陽光発電設備を導入すると、通常17年の耐用年数(国税庁が定めた使用可能期間)が適用されます。つまり、17年間かけて、毎年少しずつ設備の費用を経費として計上できるのです。
減価償却費の計算方法はいくつかありますが、代表的なのは「定額法」です。定額法では、減価償却費を「取得価額×定額法の償却率」で計算し、毎年同じ金額を経費にします。償却率は耐用年数ごとに決められています。
参考:国税庁「定額法と定率法による減価償却」
経費が増えるということは、その分所得が減るということです。所得が減れば所得税も少なくなります。これが、減価償却による節税の仕組みです。
固定資産税の軽減措置を利用
太陽光発電設備が固定資産税の対象となる場合があります。固定資産税は、土地や建物などの固定資産に対して毎年課税される税金です。太陽光発電設備にはこの固定資産税を軽減する特例措置があります。
対象となるのは事業者(個人事業主・法人・団体)に限りますが、設置から3年間、固定資産税の課税標準額が減額されます。
発電出力 | 課税標準 |
1,000kW以上 | 3/4(7/12〜11/12) |
1,000kW未満 | 2/3(1/2〜5/6) |
※( )内は「わがまち特例」による設定幅
引用:資源エネルギー庁「再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置(固定資産税)」
この特例措置を受けるには市区町村への申請が必要です。申請期限や必要書類は自治体によって異なるため、事前に確認しましょう。
補助金の併用で導入コストを抑える
太陽光発電設備の導入には初期費用がかかるので、国や地方自治体は補助金制度を設けています。太陽光発電の普及を促進するためです。
補助金を活用することで初期費用の一部を賄うことができます。補助金の金額や対象となる設備や申請条件は、制度によって異なります。また、年度によって制度内容は変わるため、常に最新の情報をチェックするようにしましょう。
補助金と、上記の減価償却や固定資産税の軽減措置は併用できるケースがほとんどです。これらを組み合わせることで、より大きな経済的メリットを得ることができます。
補助金情報は、経済産業省や環境省、国土交通省、自治体のホームページで確認できるほか、太陽光発電の販売業者に相談するのも良いでしょう。
家庭用向け太陽光発電の税金対策と控除のポイント

太陽光発電を導入する際、税金対策や控除について知っておくことは非常に重要です。住宅ローン減税、ZEH補助金、そして売電収入の確定申告が、節税の大きなポイントとなります。これらを活用することで、太陽光発電の導入効果を最大限に引き出すことができます。
住宅ローン減税の対象になるケース
住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを利用してマイホームの新築・購入・増改築などを行った場合に、一定期間、所得税から控除を受けられる制度です。太陽光発電設備も一定の要件を満たせば、住宅ローン減税の対象となる場合があります。
太陽光発電設備を単独で設置した場合は対象にはなりませんが、新築時などに太陽光発電設備を設置し、その費用を住宅ローンに組み込んだ場合などは可能です。
ただし、住宅ローン減税の対象となるためには、住宅の床面積やローンの返済期間などの条件があります。年度によって変わりますので、詳細な条件は国税庁のホームページなどで確認するか、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
ZEH(Net Zero Energy House)向け補助金の活用
ZEH(Net Zero Energy House)とは、年間の一次エネルギー消費量(冷暖房、給湯、換気、照明など)の収支をゼロにすることを目指した住宅のことです。
ZEH住宅には太陽光発電システムなどの再生可能エネルギー設備が不可欠です。ZEH住宅の普及を促進するために国は補助金制度を設けています。
ZEH補助金は、ZEH住宅の要件を満たす住宅を新築または購入する際に一定額の補助金が交付される制度です。補助金の額は、ZEHのレベル(ZEH、Nearly ZEH、ZEH Orientedなど)や、導入する設備によって異なります。
売電収益の確定申告と節税ポイント
太陽光発電システムで発電した電力のうち、自家消費せずに余った電力は、電力会社に売ることができます(売電)。この売電によって得た収入は、「雑所得」として確定申告が必要になる場合があります。
ただし、売電収入が年間20万円以下であれば、給与所得者の場合、確定申告は不要です。20万円を超える場合は確定申告が必要になります。
確定申告の際には、売電収入から必要経費を差し引いた金額を所得として申告します。必要経費には、太陽光発電設備の減価償却費や、メンテナンス費用などが含まれます。これら経費を申告することで節税につながります。
固定資産税や減価償却で活用できる節税制度

太陽光発電の導入は初期費用がかかるものの、長期的に見るとさまざまな節税効果が期待できます。事業主の場合、固定資産税の特例措置・減価償却・青色申告は、太陽光発電の節税を考える上で重要な3つのポイントです。これらを活用することで、より効果的に税負担を軽減することができます。
固定資産税の特例措置(3年間の軽減)
太陽光発電設備は固定資産税の課税対象となります。しかし、一定の要件を満たすと、固定資産税が軽減される特例措置を受けることができます。太陽光発電設備を設置してから3年間、固定資産税の課税標準額が3分の2に軽減されます。
この特例措置を受けるためには、市区町村への申請が必要です。申請に必要な書類や手続きは、各自治体によって異なる場合があるため、事前に確認するようにしましょう。また、この特例措置は、設置から3年間限定であることに注意が必要です。
減価償却で太陽光発電の設備費用を経費計上
減価償却は、太陽光発電設備のような高額な資産を一度に全額経費とするのではなく、何年かに分けて少しずつ経費にしていく仕組みです。これは、資産の価値が時間とともに減少していくという考え方に基づいています。
太陽光発電設備の法定耐用年数は一般的に17年とされています。つまり、17年間かけて、毎年一定額を経費として計上できるのです。減価償却の計算方法には、定額法や定率法などがありますが、個人事業主の場合は、定額法が一般的です。
経費が増えるということは、所得が減るということなので、所得税や住民税の節税につながります。
青色申告による節税効果とメリット
青色申告は個人事業主やフリーランスの方が利用できる確定申告の方法です。青色申告をするとさまざまな特典があり、その中でも特に大きなメリットが「青色申告特別控除」です。
たとえば買電収入が年間20万円を超える場合は確定申告をする必要がありますが、青色申告特別控除を利用すると、最大65万円の所得控除を受けることができます。つまり、所得から65万円を差し引いた金額に対して税金が計算されるため、大幅な節税効果が期待できるのです。
青色申告をするためには、事前に税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。また、複式簿記による帳簿付けが必要になりますが、会計ソフトを利用すれば比較的簡単に帳簿を作成することができます。
まとめ

太陽光発電は、電気代削減や売電収入に加え、減価償却、固定資産税の軽減措置、補助金などさまざまな節税メリットがあります。住宅ローン減税やZEH補助金との併用、青色申告も活用することでさらに効果を高められます。
しかし、制度は複雑で適用条件や手続きも多岐にわたるため、ご自身の状況に合わせた最適な方法を選ぶには専門知識が必要です。「どの制度が使える?」「手続きは?」「節税効果は?」など、疑問や不安があれば、太陽光発電の専門業者に相談するのがおすすめです。
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